2003年3月31日(月)
創作のろのろとつづき。たいそう暖かい。盛大に洗濯をし、盛大に干します。なんでも20度くらいまであがったようです。ふとんにストッパーを付けるのを忘れ、また下へ落ちてた。でもまた玄関の上がりかまちに置かれてありました。ふしぎなことです。ふとんが自分で這いあがってくるのだとしたら、そういうふとんで毎晩寝るのはたいそう不気味です。春はふとん活発になる。晩ごはんはこないだ作っておいた甘鯛の西京漬け、うるめ丸干し、かます塩焼き、と、最強の焼き魚トリオそろいぶみ。一口ごとに腰がくだけ、畳に手をがっとついてしまう。はたから見ればこの様もずいぶん不気味でしょう。レタスとピーマン、トマトサラダ。冷や奴。空豆。
2003年3月30日(日)
朝から創作。そういえばプロ野球がはじまっているのです。今年の阪神タイガースはどうでしょうか。去年は「星野監督のしゃべり方は小泉首相に似ている。勝率もやがて5割を切るだろう」と不吉な予言をしたらそのとおりになってしまい悲しかった。今年はなんにも言わないでおこう。ただ、伊良部のピッチングはぜひ生で見てみたいものです。外はおだやかな日射し、またもやうるめを買ってきて天日干しにします。ちょっとだけ昼寝をしました。晩ごはんは、かます刺塩レモン。今回は油がのってナイスでした。それとうるめ丸干し。自家製の干物はなんてうまいのでしょう。舌もひいきをするのだろうか。レタスとベーコンのサラダ。空豆。町田さんの新刊「権現の踊り子」が届く。一行目で椅子から落ちました。
2003年3月29日(土)
レオナルドふとんで起床。今日は三月の最終土曜日、つまり夕市です。商店街にずらり大漁旗がひるがえっています。レオナルドと近所を散歩してると、ゆうちゃん、めい、るながゾロゾロからんでくる。お墓の浮き彫り「桜子ちゃん」を見に本瑞寺へあがったあと、解散。うちでお昼(まぐろづけ、ひこ刺し、しじみ汁)。昼間からビールを飲みながら、イタリアの政治家がいかに金まみれであるか、という話を聞く。午後からまためいちゃんら来る。るなは完全にレオナルドにまいってしまい、ひとりでぶつぶつ「う〜ん、孝典さん(弟)とレオと、どっちにしようかな〜」などといっています。やがて出した結論は「レオがいるときは、レオにしよおっと!」。まったく末おそろしい女狐です。四時のバスでレオは東京へ帰っていきました、晩ごはんは、きのうのひらめ残り(まるいちでキープ)の唐揚げポン酢、ほうれん草おしたし、トマトレタスサラダ。あじの佃煮。買ってきたばかりの日本酒を飲んでいる横で、まぼろしの猫たちが春の踊りをおどっている。
2003年3月28日(月)
朝から白夜書房のみなさんが取材にこられる。インタビュアーは荻原和歌さん。なんでも新しい雑誌で、ごはんや台所をテーマにしたものだそうです。まるいちへ行き、とこぶしを買ってくる。簡単なふだんの料理でいいというので、とこぶしを煮付け、先日つくったうるめの丸干しをあぶり、みなさんにふるまいました。新鮮なうるめにみなびっくらたまげていた。夕方レオナルドを三崎口で出迎え。イタリア人らしく抱擁をかわしました。彼は日本人のゆうこさんと結婚し、この春から吉祥寺に住むのです。吉祥寺在住のみなさん、どうぞよろしくお願いします。ふたりで銭湯に行き、いちばん風呂につかっていると、ニューバッカスの佐藤さんがはいってきて、「よう、いしい君」と片手をあげた。晩ごはんはひらめ刺塩レモン、めと煮付け、空豆、これに日本酒。後半は洋食で、舌平目ムニエル、めとガーリック炒めイタリア風。レオナルドは好き嫌いがないのでよかった。途中、イタリア人がいると聞きつけた、るな、坐古ゆみちゃんがやってくる。るな早速レオナルドをわがものとする。九時頃ゆう、めい、坐古父も席に加わる。日本酒を飲みながら、ピッコロやアクアなど、イタリアの単語をレオナルドより習う。みなたいへん酔っぱらい、るなはレオナルドの肩にのぼっていました。坐古家が帰ったあと、一時半まで焼酎を飲みながらレオナルドと写真のはなしをしました。イタリアの古いサーカス一座を撮った彼の作品はじっさいすばらしい。イタリアのサーカスは、道具や化粧の細部まで、うっとりとするほど見事です。
2003年3月27日(日)
好天ですが強風が吹いている。干しておいたふとんが、いつの間にか窓からふっとび、またいつの間にか玄関先に帰ってきていた。ご近所のどなたか、ありがとうございます。さっと掃除をして創作。それから新刊につけるはがきを作りました。読者はがきというものですが、手書きでこれを作ると、通常とは比べものにならないくらいの数が戻ってくるんだそうです。ただ、どういう本でも通用するかというとそうでもなく、たとえば、ものすごく達筆な大御所のかたが手書きのはがきをつくっても、なんだかおそろしくて、返事を出す気がしなくなるようにおもいます。お昼にイタリア人写真家レオナルドから電話。明日遊びにくるとのこと。午後過ぎから横浜へ出て、理論社の芳本さんと会う。いろいろ本の話をして、ベトナム料理の店へはいる。雨がふったらしく、途中で頭がぐらぐらしてきます。
2003年3月26日(土)
ものすごい好天。ふとんを干し、うちじゅう霧吹きでEM(小三治さん推奨のバイオ消臭剤)をまいてまわる。午前中たっぷり創作。お昼からあぶらののったうるめを天日干しにしました。近所のみなさん集まってきて、猫にとられるだよ、と心配してくれる。結局、ニューバッカス佐藤さんの愛車(スクーター)の荷台に、いわしは網ごと載せられました。二階の窓から西日を受け光るいわしたちが見えました。夕方まで創作。晩ごはんは、春の日のぜいたく、甘鯛。半身は刺身で、もう半身は西京漬けにして保存します。自家製うるめ丸干し。表面ぱりぱり、なかジューシー。まったくにゃあにゃあと踊ってしまって無理はありません。ほうれんそう。冷や奴にそらまめ。瓶ビールに焼酎を飲む。
2003年3月25日(金)
午前中は創作。お昼すぎ春の雨のなか一橋へ。如水会館というところで川本三郎さんと対談をしました。テーマは「少年小説のたのしみ」、東販の出版物「新刊ニュース」に載るものです。ぼくは学生のころから、川本さんの大ファンなので、興奮のあまり緊張してしまいました。おかげでとりとめのない話ばかりああだこうだと。たとえば以前吾妻橋に住んでいましたと申し上げたまではよかったのですが、動物のかっこうをしてあたりをうろつき、あげくレッサーパンダ帽の殺人犯人とまちがわれた、なんて話、なんでまたしたのでしょう。ああ恥ずかしい。川本さんも内心苦笑なさっていたにちがいありません。ただ、いちばんたいへんなのは、原稿をまとめる新刊ニュースのかたかもしれない。京急線は久里浜で途中下車。ちょっと遅くなったので穴子寿司を買って帰る。お風呂の窓をあけ湯船につかっていると、すぐ外で、若者が携帯電話でさわいでいるのがきこえてきました。相手は知り合って日の浅いガールフレンドのようです。春の夜はひともさかりがつくようです。
2003年3月24日(木)
外で飲むとダメですね〜。体調ぜんぜんよくないです。ものすごい好天にひっぱられるかのように、のろのろ仕事をします。あとで知りましたが、この日は十五度近くまであがったようです。ひと月で十度もあがった! 5月の青山ブックセンターイベントに向け、ゲストのかたへの出演依頼。夕方にフセインが演説していました。夜に雑誌ダヴィンチとアンアンより新刊の件で取材依頼。晩ごはんは、豚と空豆の中華風いため、しじみのみそ汁、せりのおしたし。ぬる燗で体調を整えました。
2003年3月23日(日)
どんどん暖かい。東京へはダウンでなくピーコートでいく。マジックのジャパンカップです。たしか田代茂さんのうちへうかがい手品のことをいろいろうかがったのは去年の今頃。丸一年かけて本ができあがったことになります(「プラネタリウムのふたご」は手品の本でもあるので)。日本クロースアップマジック協会代表の田代さんはこのジャパンカップのプロデューサーでもあります。まずは数々のゲストのマジックガラ。それから各賞の授賞式。銀座のマジックバー・ポイントのマスター古賀さんをひさびさに見られ嬉しかった。式自体に独特のはなやかさ、あやしさがあり、手品のイベントは、たえずどこもが見物なのだ、と実感。最後に世界の大スター島田晴夫さんの和傘の演技。島田さんは今回のジャパンカップも受賞されました。イチローやら中田より先に、インターナショナルな評価を、ある意味「世界一」の称号を手にされたかたなのです。手品の技すばらしき。田代さんお疲れ様でした。ほんとうにいいものを見せていただきました。帰りしな、同行の編集者国兼さんに、築地のお寿司をごちそうになる。酔っぱらってごとごと京急で帰る。
2003年3月22日(土)
午前中は大阪ミーツ用のイラスト。テレビ付けてみるとびっくり。バグダッド大爆発。広域暴力団がいなかのシャブ中をぶったたくの図。午後は創作。今回はずいぶん短くまとまりそうで、五月中には終わるとおもいます。そのあとは夏に向け「海の話」です。やはり寒い時期、ぼくは頭がさえないのかも。晩ごはんは、かます塩焼き、ポテトサラダ残り、あさりみそ汁、メンチカツに空豆。川本さんの小説をまた読む。おとなの小説のすばらしきかな。
2003年3月21日(金)
朝は渋谷。友人高橋くんちに泊めてもらったのです。きりかちゃん、朝から大騒ぎ。ぼくは完全に家来あつかいをされる。三崎に帰りちょこちょこと仕事。もうダウンジャケットはいりません。こないだまでの最高気温(7度)が最低気温だったりします。やっと冬を抜けた、お祝いしなくちゃあ、ってことで、いよいよ登場赤むつ刺、さらに煮付け。ひさしぶりになまこ三杯酢ウイズおろし大根。ポテトサラダ。しじみみそ汁ウイズ三つ葉。
2003年3月20日(木)
お昼にテレビをつけたらどんぴしゃで戦争はじまりました。人のいる場所へ爆弾をおとすという感覚が、ぼくにはどう想像をふくらませてもつかめません。遠隔操作のきくミサイルってのがあるらしいですが、ものすごく卑怯な感じをうけますね。かぎりなく遠くにいて、相手を殺す現場にたちあわない。爆弾や地雷も、考えてみれば同じことですね。自分の目の前で人が死ぬのを見ないですむ。殺す現場を見たくないんなら、殺さなけりゃいいのに、わざわざ見ないですむような仕掛けを考え、遠くから殺す。ふつうに生活していれば、こういう無茶な理屈でものごとを進めるようにはならないはずで、人のいる場所へ爆弾をおとして平気なひとは、おそらく毎晩ふつうに寝たりふつうに洗濯をしたりふつうにごはんを食べたりしていないとおもう。「もっと金がほしい」(お金あるのに)とか「楽をしたい」(もう楽してるのに)とか「すごい人だとおもわれたい」(すごくないのに)とか、そういう心根でいるのだとおもいます。よくばりな、でぶのこどものようなものです。お菓子みたいなごはんばかりたべているとそうなるのです。みんなうるめを干してたべればいい。夕方から銀座の「いしんごう」という中華料理屋へ。リクルート関係のみなさんによる、坪田賞お祝いパーティ。ひさしぶりのかたが大勢。きれいなかたはやはり美しく、おっさんなひとはより立派なおっさんに見えました。場内に犬風船がおどっています。関さんの祝辞に、長薗さんの祝辞、「出会いのストーリー」ビデオ上映。みなさんからお祝いの絵やことばが瓶に掘りこまれた赤白のワインをいただく。すばらしくてしばし唖然。みなさん、ほんとうにありがとうございます。ひじきふりかけやハンチング帽もありがとうございます。ふりかけは使いきりました。帽子は毎日かぶっています。
2003年3月19日(水)
朝の空気はまだつめたい。ごみ出しと洗濯。午前中、午後とずっと創作。夕方送られてきた雑誌野球小僧を読む。ライターのかたが超高校級のピッチャーのところへでかけていき、ブルペンで捕球するという「さすらいのキャッチャー」という名物コーナーがあります。今回も非常におもしろい。大阪のミーツ編集部より電話があり、ファックスで確認したいことがある、とおっしゃるので、八百兵さんのファックスを使わせていただく。どうもありがとうございます。晩ごはんは、じゃーん、今年の初かますです。おおぶりのがあがっていたので、買ってみることにしました。晩ごはんは、刺身の塩レモンに塩焼きです。刺身はまだちょっと早いかな、という感じ。塩焼きはもう猫たちがどよめいていました。おぼろの湯豆腐。よくあるおぼろ豆腐というのを昆布だしで暖めるのですが、これはすごくおすすめです。ほうれんそうのおしたし。はまぐりの酒蒸し。みつばがおいしい。
2003年3月18日(火)
午前中は寒のもどりです。セーター二枚重ねでしとしと創作。お昼から横浜へ。そごうでやってるドラえもん展をみました。現代美術家のかたがたに「あなたのドラえもんを」と作品を依頼したのだそうです。こどもの遊園地と化していて、それはそれでおもしろかったのですが、うーん、大半の作品は(失礼ですみません)、藤子不二雄のつくりあげた「ドラえもん」の枠を、ぜんぜん越えていない、あるいはその中に安住している印象を受けました。驚きがないのです。ただ、そのなかでも、奈良美智さんの絵にはびっくら仰天しました。ここ数年、多くの印刷物に奈良氏の作品を多く見かけますが、やっぱり奈良氏は「画家」なのです。現物にこめられた力を味わうのでなけりゃぜんぜんすごさがわからない。現物はもう、ものすごく暗い場所からこだまがきこえてくるようで、その意味でドラえもん展、いってよかった。そごうの地下で肉を買う。三崎へ帰り、坐古家へ肉もっていく。つまり引っ越し祝いでした。夕方、衛星放送で「アルプスの少女ハイジ」を見ました。クララがハイジに「ばかばかばか、よわむし、いくじなし、もうクララなんて知らない、わーん!」と走っていかれ、おもわず立ってしまう回。去年も書きましたが、またもや泣いてしまった。晩ごはんは、鯛のお刺身、ほたて刺、ほうれんそうのおしたし、おぼろ豆腐。鯛の半身塩焼き。まぼろしの猫みなばたばたと轟沈。
2003年3月17日(月)
曇りだけどあったかい。午前中は創作。午後は東京の講談社へ、ゲラの最終戻しにいきます。国兼さんと頭を寄せ合い「ここにまだ『い』が残ってた」「あ。ここにも!」とさわぐ。「ふたご」のなかに、「い」の文字がすべて抜け落ちてしまうタイプライター、というのが出てくるのです。へとへとで戻し終了。つづいてパウンドプルーフ送り先の人選。本番をお送りしたほうがいいんじゃないかとおもったかたは、あえてパウンドプルーフを送っていませんのであしからず。くたくたで人選終了、そこへデザイナーの池田進吾さん登場。装丁につかう絵の案を四つおもちくださったのです。どれもすごい出来で、おもわず立ち上がってしまいました。国兼さんうんうんうなって苦渋の選択をしました。「クーツェ」のときも驚いたけど、今回はまた、さらにすごいです。ぼくはまったくいつも装丁に恵まれています。それから青山ブックセンターの高頭さんが来られる。本店で発売後、イベントを開いてくださるのです。日程は五月十八日の日曜日。午後から夕方にかけて二時間ほど、場所は青山のABC本店。ただの記念イベントにはしません。すごいプログラムを企画中です。みなさん、もろもろおたのしみに。帰りはもうろうとしています。晩ごはんは品川駅で立ち食いカレー。なのに、京急線である本をひらいた途端、ぱっちり目がさめました。川本三郎さんの連作小説集「青いお皿の特別料理」です。NHK出版の「男の食彩」に連載されていたのをまとめられたのです。短いそれぞれの話に、何人もの登場人物が別々にからむ、いわゆるチェーンストーリーのかたちなのですが、この人物の関連のさせかた、さりげない登場のさせかたが、もう上品で上品で。こういうつくりの連作は、いかにも「つなげました」「意外なところでほら」って、わざわざ感のみえるのが多く、途中で投げ出してしまったりするのですが、川本さんのこの作品は、はじめは「あれ、チェーンストーリーか」と身構えたものの、じょじょに余計なことがいっさい気にならなくなって、三崎口に着くまでに一気に読みました。本の終わりの方では、だんだん人物同士の関連が、かえってふわっと薄められていくのです。なんて上品なんだろう。帰宅後ビールに焼酎をのみながら、もう一度はじめから読み返しました。
2003年3月16日(日)
朝からずいぶんあったかい。東京中野へ向かい、柳家小三治さんの独演会。タマちゃんのことで怒っていた。こないだなんだかわからない保護団体があざらしのタマちゃんを捕獲して、北極海へ送り返そうとしたんだそうです。小三治さんいわく「あざらしでもないくせに、あざらしの気持ちがわかんのか。もし南極うまれだったらどうするんだ。あのあざらしは北極にしかいないって、それぐらいのことは知ってるが、そんなことは問題じゃないんだ」と怒っていました。ねたは「二人旅」「付け馬」。外へでると雨。夕方はやくから居酒屋。メンバーは信子さん、OTOさん、まさこさん、弟孝典、兄康裕。晩ごはんはここで。ゆでたけのこ、ねぎのぬた、鶏の唐揚げ、野菜の炊き合わせなど。十時半頃三崎に着く。春の雨はアスファルトにおちる音もやわらかくきこえる。
2003年3月15日(土)
朝おきてしめさば制作。塩を酢でじゃぶじゃぶ洗い、骨を抜き、薄皮をはいで、三杯酢でさらにしめる。昆布も敷きます。午前中は創作。いままでとは一風かわった読み物になりそうです。絵描きのかたと共作の本なのだから、当然ですが、ただ、主人公の名前がちゃんと日本人なのです(これまであだ名とかばかりだった)。お昼にさばを上げ、はじっこを切ってつまんでみる。えらいしょっぱい! でも内陸はうまうま。端は塩の浸食がきびしいということでしょう。午後から関口くんはじめダヴィンチの三人くる。ゆうべから三浦海岸で研修だったそうです。おとななのに変だ。三人お茶を飲んで城ヶ島へ遊びにいく。うみうしがたくさんいたそうで、うらやましいことこの上なし。ぼくはその間創作。三人が帰ってくる前に、いかやお刺身などの下ごしらえ。晩ごはんは、めといかのさっとゆで(しょうが醤油)、さより刺し(わさび醤油)、あさり酒蒸し、いしい手製しめさば、八百兵さんのたくあん。関口くん激しく酔っぱらう。「プラネタリウムのふたご」のパウンドプルーフ版を渡す。
2003年3月14日(金)
午前中は創作。お昼からアエラの取材です。ちょうど時分どきにこられたので、づけ丼とあさり汁を出しました。わざわざ三崎まで来られたのですからね、なにより、天気が良くてよかった。大阪のこと、三崎のこと、創作のことなど、いろいろとおはなしする。写真はまるいちの店頭で撮りました。みなさん帰られたあと、ミーツ用のイラスト。夕方「プラネタリウムのふたご」のパウンドプルーフ、批評家のかたやマスコミに発売前に配る版が送られてきました。みると「クーツェ」より十ページしか違わない。晩ごはんはさばの塩焼き、細いうるめめざし(三串も)、大量の大根おろし。ゆでアスパラ、みつばおしたし。夜中、暗い台所でさばの半身を塩でしめる。
2003年3月13日(木)
午前中は創作。午後からミーツ。ミーツというのは大阪の雑誌、正式名称はMeetsRegional(http://www.lmaga.jp/meetsnew/index.html)という。日本にある雑誌のなかでもとくに背骨に芯のとおった「街の情報誌」です。ここで携帯電話まわりのことについて、連載エッセイを書くことになった。携帯電話をもっていないけど、それでいいんでしょうか、と聞くと、それでおもしろいものが見えてくるなら全然かまわないとのこと。坐古家のめい・るなが壊れた携帯電話で「もしもし」と遊んでいたはなしを書きました。ところで鼻がぐすぐすいう。花粉症でしょうか。アレルギー性ぜんそく、鼻炎、アトピー性皮膚炎と、アレルギーの雑貨店といってもいいぼくが、花粉症だけの品揃えはなかったのですが。電話で園子さんにきくと「鼻が出るだけじゃ花粉症じゃない。ほんとうの花粉症はそんなものじゃありません」といわれ、ちょっとがっかりする。晩ごはんはレタスと肉いため。あぶら揚げのみそ汁。納豆。アスパラのごま油いため。ひさしぶりに缶ビールを飲むとおいしい。
2003年3月12日(水)
ゆうべは調子に乗って深酒しすぎました。朝からだめな感じです。ながらもモノマガジンイラスト。仕事しなければこのごはん日記もつづけられない。お昼から灯油の補給、銀行での払い込み、松本へのさかな配送。午後三時ごろ、ようやく外界とからだの波長がシンクロしてくれる。やれやれです。晩ごはんはぶりの照り焼きに大量の大根おろし。あさりのみそ汁にあさつき。アスパラをゆでおかか和えにする。
2003年3月11日(火)
早起きして掃除洗濯。玄関と二階の洗面台に桜の小枝をかざります。創作はスケートみたいにすすむ。やはり気温が関係しているのかもしれません。夕方まで絵描きの話、日暮れまで「プラネタリウム」のゲラ訂正。晩ごはんはまるいち制作のこのしろ。さより刺身。冷や奴。めかぶの酢の物。ねぎのぬた。このしろはちょうどよい酢の加減でした。おどろいたのはさより刺です。淡泊で、口にいれたときはしずかな味なんですが、かみしめて飲み込む段になると、ぶあつい食感がわいてきて、焼き魚を食べたみたいな香ばしい後味が残る。乙女のさよりおそるべし。こないだ買ったiPodに園子さんより注文のCDをつぎつぎといれていく。盛大に酔っぱらう。
2003年3月10日(月)
午前中は創作。お昼から共同通信の取材がありました。二階の座敷でお茶をすすりながら、どんな風に話をつくっているか、という話をしました。天気がよくてたいそうよかった。のんびりとしていい取材だった。晩ごはんは、まるいちで買った格安ぶりを塩焼きに。みそ汁のだしをとっていると、三浦市役所企画課の松下さんが来ました。バッカスの佐藤さんの息子さんと友達、坐古父ともひとつ上の昔なじみだそうで、いうなれば三崎の大大大先輩。坪田賞のお祝いにビールをいただきました。ぼくは三崎にやってきたことで、日々の暮らしのピントが合ってきた、って実感があるので、たいへん光栄におもいました。三崎でごはんをたべながら、毎日、なにかを教わっているような気がいつもします。ぼんやりものなので、頭ではそれがなにか、うまく整理ができないんですけれど。晩ごはんはぶりの塩焼き。新ごぼう揚げ。みつばのおしたし。めかぶのみそ汁。
2003年3月9日(日)
午前中、引っ越し作業中の坐古家を見に行きました。う〜ん、すばらしいうちです。開放感があって、つくりがていねいで、新しいところは新しい、古くてよいところは古い。一軒ほどの幅の神棚。玄関だけでなくいろんなところから部屋にあがれる。坐古家のみんな、それを取り巻くひとびとにぴったりという家です。北条湾に道路はさんで東へ面しているので、二階のベランダから、ほんとうに釣りができます。いやはや、すばらしい。こちらまでいい気持ちになってきました。盛大にお祝いをしなくっちゃ。横浜タカシマヤでアロイス・カリジェ展。ぼくがお正月に大阪で見たものです。園子さんはこれを見るために松本からやってきたのです。その甲斐はあったようで、一枚一枚の絵を焼けこげるような視線で見つめていました。アルプスいいなあ。カリジェの風景画は、乱暴にいえばアルプスの少女ハイジの風景をおもいだしていただければ、そんなはずれてはいません。というより、ペーターが山羊を連れて行く山や、ふもとの家並みなどは、おそらくこのカリジェの絵本を参考にしているはずなんです。そういった絵本の原画もよかったですが、油絵がもう泣きそうなくらいいい。20世紀の偉大な画家たちの感じていた、世間的に偉大であること、偉大でありたいと願うことのプレッシャーから、カリジェは(たぶん絶望の末)解放され、自分に描ける絵だけをまじめに描き続けた、そんな風な気がします。なんだか三崎の街に似ている。園子さんと横浜駅で別れ、うちへかえってきてトマトスパゲティ。ゆですぎました。興奮のあまりかもしれません。
2003年3月8日(土)
東京へ合唱の練習にいきます。前にいったときよりかずっと暖かくなってる。うがいもそんなにしないですみました。この日はフランス語の歌詞の発音練習がメイン。仏文卒なのに、ろくすっぽ音がでなくて恥ずかしいかぎり。四時半に青山ブックセンターへむかい、「麦ふみ」「ぶらんこ乗り」などにサイン。今回も四十種類くらい別の動物のイラストをいれました。高頭さんと来月発売予定「プラネタリウムのふたご」キャンペーンのうちあわせ。今回はおまけを配るだけでなくイベントも開いてくださるのです。いつもほんとうにありがとうございます。打ち合わせが終わったあと西口の焼鳥屋。ヨドバシカメラでiPodを買いました。バスターミナルで園子さんと合流し三崎へ。空腹の園子さん、めばるたけのこのたけのこだけ、まぼろしの猫とともにもぐもぐ食べる。
2003年3月7日(金)
朝六時起き。絵描きの話、全面かきなおし。もうだいじょうぶのようです。前作の「ふたご」が、けっこう自分の奥深くにまではいっていたものらしく、その後なにを書いても「ふたご」のトーンになってしまう。その上、賞のお祭や慣れない取材などあったので、しばらく創作がおもうようにいかなかったのです。
無理してもしょうがないし、転職するなら郵便配達か測量士がいいなあ、なんて考え、測量の資格について調べたりもしました。それが、やっと今日になってクリアに話が進みだしたのです。めでたしめでたし。晩ごはんはめばるとたけのこの煮付けです。この組み合わせは「めばるたけのこ」とひとまとめにいわれるほど相性がいい。キャベツ千切り。しじみのみそ汁。食後スヌーカーの試合を見る。ジョン・ヒギンズ選手、いつもの調子でものすごく強い。見習いたいものです。
2003年3月6日(木)
早起きしてダブル原稿。モノマガジンの連載八戸編、そしてダヴィンチには短編「図書館司書のゆう子さん」を描きました。ああよかった。なかなか進まなかったので一安心。晩ごはんの青椒牛肉絲、うまくできる。お祝いにひさびさのビール飲みます。雪割り納豆。キャベツ千切り。夜にアエラと共同通信より取材依頼。お二組ともわざわざ三崎にこられるそうで、取材日にお天気のいいことを祈ります。そば焼酎を熱いそば茶で割ってのむ。うま〜。
2003年3月5日(水)
松本から新宿へ。青山ブックセンターで土曜日にサインをする約束をします。品川経由で三崎。京急線でひじょうに腹の立つ広告をみました。住友不動産の分譲マンションなのですが、京急沿いの新開地にまたぞろ背の高いマンションを建てるようなのです。その宣伝文句が「あなたは○○(マンションの名)を見上げるひとになるか、○○から見下ろす暮らしを送るひとになるか」ってんです。ひどすぎですね。満員電車で必死に通勤してる職業人、また、京急線を使ってるひと全員に、失礼だとおもわないんでしょうか。晩ごはんはまるいちで小振りな鯛を二匹買いました。一尾は昆布締め、もう一尾は煮付け。ごぼうとにんじんの炊き合わせ。春菊のおしたし。
2003年3月4日(火)
お昼から本郷先生の工房で原稿。なんてあつかましい。お昼までごちそうになりました。ゆうべ出し忘れためといかのはいったカレーうどん。ダヴィンチの連載は次号から長くなります。なかなか焦点さだまらない。バスでパルコブックセンターへいき、山本有三選の名作童話、山本夏彦氏のラストエッセイ、「信州の里山を歩く」という本を買いました。晩ごはんは酒のつまみシリーズ。せりのおしたし、きんぴら、おぼろ豆腐、ほたて焼きなど。また急に冷え込んできて窓は露まみれ。星空はすきとおるみたいにきれいです。
2003年3月3日(月)
日中は家でダヴィンチ原稿。夜は本郷先生の広い工房でお祝いパーティ。まるいちより注文した豪儀な刺身がとどいています。まぐろ、むつ、きんめ。七輪に炭をいれたらちり鍋。お酒はだるまストーブの上でお燗。工房のみなさんとお近づきになれてよかった。犬のクーと猫のあきがひとと同じように火をかこんでいます。魚をたべているうちみんなの顔が山の猫にみえてきて弱った。
2003年3月2日(日)
コーラスの練習。今日は松本文化会館で男性パートだけです。「つめてすわってください」といわれると、男性はいうとおりぞろぞろと前へつめる。「こういうところが女性だとたいへんです」と先生は笑っていました。いつもやるヴォワシの出だしから、闘牛士の歌、ハバネラなど。練習全体を通して和やかな感じがあります。コーラスの先生も発音指導の先生も、なんだか雰囲気がやわらか。春が近いせいか、人数が四分の一ぐらいでまとまっているせいか、それとも男性は「よほどひどい」場合じゃないと落とされないからでしょうか。お昼からは女性パート。会館の入り口で園子さんと入れ替わりです。原稿を書こうとおもい美術館へいくと臨時休業。がーん。あがたの森図書館では、とてもスペースがないし、松本市図書館は、受験生に占拠されてた。女鳥羽のうちで仕事。園子さん帰ってきて気弱なことをいう。宗方コーチのようなことをいって励ます。晩ごはんは豚キムチいため、大根サラダ、おいしい鮭ムニエル。夜はコーラスの特訓をする。
2003年3月1日(土)
お昼前より笹塚で志村社中のお祝い会。廿楽さんが郷土のお寿司を手作りしてくださる。みなさん手際よく動き、ぼくはただ呆然としています。先生より棗、社中のみなさんより楽茶碗をいただく。感激です。そのお茶碗で濃茶を点てましたが、量が少なすぎて失敗しました。四時過ぎに失礼し新宿から高速バスで松本へ。山菜のてんぷら、菜の花のおしたし、鯖の味噌煮など。