2003/5/28


イラストレーター ハギハラトシサトさんの絵と文で綴る、クーダラダラな日々のエッセイ。のんびりとお楽しみください。  

 

クーダラダラ22:骸骨コツコツ骨骨



『こつ、こつ』

朝、ぼくが起きてきて朝食を食べようと席につくと、テーブルの上には、

朝食の乗った皿と整然と並べられた六体の骸骨のおもちゃがあった。

すがすがしい朝日に照らされて浮かび上がる、

この食卓の光景は、ちょっとしたホラー映画の出だしのようだ。



ウチの4才になる下の息子はいろんなモノを並べて遊ぶ。

キャンプに行けば、石ころや松ぼっくり、

ドングリなどを集めてきては、並べて遊ぶ。



『リキッド のコピー』

 

ちなみに、上の子はいろんなモノを縛って遊んでいた。

特に人形を縛り上げては、あっちこっちに吊るして遊んでいた。

これにはぼくも驚いて心配したが、今はしなくなったので一安心。



また話をもどすが、この下の子は骸骨の人形が好きで、

メキシコの民芸品屋に入ればメキシコの骸骨の人形を、

ハードロック系の店の前を通れば

そこに置いてある骸骨のキャラクターグッズを見て欲しがる。

最初はちょっとためらったが、

あまり欲しがらないようにという気持ちを込めて

ちょっと恐い感じのするのを買ってやったら、

それがおお気に入りでその日から一緒に寝る始末。



そして、3日と立たないうちに関節がはずされバラバラになっていた。

「ホラーマンがバラバラ。くっ付けて」とやってくる。

骸骨と言えばアンパンマンに出てくる

ホラーマンぐらいしか知らない子にとって、

どんなにこわそうな骸骨でもホラーマンなのだろう。


『ワニの口に煙』

この前、上野の博物館に行った時は、

恐竜の骨の化石を見ては骸骨、骨、骨と騒ぎ、

動物園ではゴリラの檻にある人間とゴリラの頭蓋骨の標本を

じっと見つめては骸骨、骸骨とつぶやいていた。



この子は骸骨や骨のことをどう思っているのだろう。

骨や骸骨を見る事で想像力を増幅させ、想像の世界で遊んでいるのだろうか。



もし、ぼくがどこかで動物の骨などを見つけたりすると、

何も考えたり感じたりせずに通り過ぎられるだろうか。

たぶんついいろんな事を想像してしまうだろう。

その骸骨の主人の死がごくありふれた死であったとしても、

事実以上のことを想像して不安な気持ちになったり、

襲ってくる訳でもないのにその場から立ち去りたくなる事だってあるだろう。

骸骨というのは、皮や肉がそぎ落とされた骨に

事実以上の想像という過剰装飾を施してしまう

強力な想像力増幅マシーンだ。



『ホネ、ホネ』

 

ところで骨は、その主人がそこに生きていた証である、

そして、骨から生前の姿を想像できたりもする。

骨は僕達にいろんな情報を伝え、何等かの事件(火事、噴火など)が

起こらない限り骨はどの部分よりこの世界に長くとどまり、

存在の証しを長く残す。



ぼくも牛乳を沢山飲んで骨を丈夫にしておくと

化石となって発見されるのだろうか。

え?なに?そんな事は絶対ない?

あっ、そうか火葬だもんね。灰になって何も残らない。

現代の日本人の姿は、未来の人々が復元したくてもできないというわけだ。



え?でも石の墓標が残る。

でもそれじゃ−生前の顔を復元したりできないじゃない。



はぁ、顔の石像を残せばいいって。

なるほど。なんだかしらないけど納得したくないな−。

ぼくは骨が発見されてそれを元に復元されるほうがロマンを感じるけど。



えっ、なに、マヤの遺跡の石の彫刻を見てもロマンを感じるだろうって。



まあいいや、それではまた、クーダラダラ。


●ハギハラさんへのマオマオネットインタビューページはこちら
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【PROFILE】

2000年あたりからドットを使った作品を作っている。その他に「ソラとランドスケープ」や「TWONESS」「SPEAKERS」「FANCY」のシリーズも作り続けている。こういった作品が複合的に絡み合ったインスタレーションも行っている。1960年 奈良県生まれ。大阪デザイナー専門学校卒業。[個展]『瞳の彼方から』(89,90)『FANCY』(91) 『鈴木清順作 小説「どうでもいいじゃないか」挿画展』(95)『BAD GOODIES』(97) [発表歴]第五回現代版画コンクール展入選(84)第八回日本グラフィック展-協賛企業賞(87) 第九回日本グラフィック展-奨励賞(88) 第十回日本グラフィック展-大賞(89)など。