UP DATE:2001.8.31
 
今、活躍中のヘア・アーティストに、妙に気になるアノコトや、ちょっと違うゾとひっかかるソノコトを、大胆にきいてしまおう! というコーナーです。

  マオマオネット インタビュー第13弾
二階堂 寿美 Toshimi Nikaido
HEAVENS代表の小松敦さんが絶賛する若手ヘアメイク・アーティスト二階堂寿美さん。ビンテージテイストのヘアサロンで、不思議な雰囲気をかもしながら、快活におしゃべりするユニークな二階堂さんデス

text by ohka matsuura


音楽・絵画・映像・etc…
好きなモノはどこまでも追いかけていく

 

 

 夏休みに、フジ・ロックフェスティバルに行ってきたんですよ。フジ・ロックフェスティバルは、まさに自然回帰。緑があって、空があって、山があって〜って感じで、みんな自然体。3日間の野外イベントで、いろんな国の人、いろんなジャンルの音楽好きが集まる、ラブ&ピースな世界なんです。私、美容にしてもなんにしても、自主性が強いというか、個性を感じるモノって、好きなんですね。フジ・ロックも、自主性がないと、わざわざ、あんなところまで行かないでしょ? 会場では、いろんな場所でライブをやっていて、みんな、自分たちの好きな音に集まる。まず、“好き”という気持ちがあって、そこに“行き”、さらに自分の好みを“選ぶ”っていう行為があるわけですから。

 答えがハッキリしている分野ではないとしても、その人らしさやオリジナリティを感じるモノは、イケてると思いますね。逆に、そういうものを一切感じない、答えがまったくないような、無意味なモノはどうなんだろう? と思います。

 私、わかりやすい性格なんですよ。音楽だけじゃなく、アートも絵も文学も好きなんですけど、好きだと思ったら夢中で追いかけちゃう。高校生のときから好きだった赤木仁(あかぎじん)の絵を、実際に買ってしまったときは、我ながらスゴイと思いました(笑) でも、そういう好きな世界をたどっていくと、大好きな澁澤龍彦(しぶさわたつひこ)とも関連がありそうなことがわかったり、おもしろいですよね。

 今年で、美容の世界に入って、8年目。でも、一度は、美容を離れて、映像の世界で働いていたことがあったんです。映像がやってみたくて、もとから、つくることが好きだったんですね。美容に戻ってきた理由ですか? うーん、22才くらいだったと思いますが、その頃、「何をやっても中途半端だな」と感じていたんです。映像に関わったといっても、アシスタントに終始して、自分が直接つくれるわけではなかったんですよね。そして、「今やらなかったら、この先、美容をやることはないだろう」とも思った。そんな時、あるきっかけで、オーナーの小松と出逢って、HEAVENSの方向性や小松自身の思考、人間性などを知り、直感的に「この人の元でなら、自分はやっていける」と思ったんです。それに、人と直接関わりながら、自分でつくっていける美容の仕事が好きだ、ということを、あらためて実感したんです。

 自分のつくるヘアメイクの方向性は、アバンギャルドだとしても品のあるものを好みます。ただ、「わかりにくい」と、けっこう言われるんですよ(笑) 例えば、モノクロの作品も、直接、写真に色を塗ったりしているんです、微妙ですけど…。唇だけとか、洋服に、ちょっと陰影をつけたり、着色する。そうすることで表せる気持や、違和感だったりするんです。自分なりの変なクセみたいなものですね。ただ、そのクセを全面に出しているわけではないところが、自分のイイところでもあり、逆にダメなところかもしれない? というのは、わかりやすい明快なモノのほうが、受け入れやすいかなぁと思う気持ちもあるので…。微妙なトーンが、逆に邪魔になったりすることもあるのかな、とか試行錯誤してますよ。でも、最終的には、気に入っている部分ということで、コレはコレです! とわりきって、やってしまうんですけど。

 表現には+(プラス)の方向と−(マイナス)の方向があると思うんですけど、−できる表現力を持っている人ってスゴイって思いますね。“10”表現したいものがあったら、“7”で表現して“3”をそぎ落とす、そうした勇気のあるものがカッコイイと思うんです。ファッションにしても、ストリート系の人たちってラフですけど、NY のアンダーグラウンド・シーンで受けているのは、どこかしらポイントを押さえているからですよね。そういう人は、自分のなかに+と−とがキチンと計算できていて、その両端をうまく移っていけているというか…。はっきり分類できなくても、しっかりしている表現が素敵だなと思います。アルファベットの文字が綺麗にならんでいるよりも、乱雑に書かれていた方が、その人らしい、カッコよさがあるように。


一口メモ
赤木 仁(あかぎじん)
1957年生まれ。アーティスト。エロスの画家・金子国義に師事し、88年に独立。コシミハルのCDのアート・ディレクション、ananなど雑誌、新聞、また単行本の挿絵などで活躍中。作品集「洪水の前」(1999)がある。

澁澤龍彦(しぶさわたつひこ)
1928年〜1987年、東京生まれ。小説家、評論家、フランス文学者。該博な知識と高度な文章技術に支えられ、特異な「自我」を表現するその多くの著作は、没後もなお 多くの読者を獲得しつつある。 『高丘親王航海記』(87年、読売文学賞)など。

 

“犬捨て山”
「サロンでペット飼いましょうヨ!」 


 

 

 いいな、好きだな、と思うコトのほうが圧倒的に多いので、イケてないっ! と憤慨するようなコトって、あまりないんですよね。一般的なことですが、気になるのは、やはりマナーかな? 道行く若者たちがお行儀ワルクしていても、それほど気にならないんですけど、サービスやケアといった点で配慮に欠けてるなと感じるコトは、ちょっと許せないなぁ。

 私、食事は和食が好きなんですね。それで、外でキチンと和食を食べようとすると安くないけれど、それでも、わざわざ食べに行きたい。なのに、せっかく出掛けていったお店で、マナーの悪いスタッフや、いまいちの物を出されたりすると、かなり残念。自分も、美容の世界にいて、お客さまに来てもらう立場なので、一層気になってしまうんですね。お客さまが、すごく可愛くなれる! と期待して来店されているときに、スタッフの対応が今ひとつだったり、気持が伝わらなかったら、空回りに終わってしまう。当たり前のことなんですが、結果がだせないとダメ、なんですよね。

 それから、最近、とても気になっていることがペットの問題。山梨に、“犬捨て山”というのがあるんですよ。この山に、勝手に飼い犬を捨てていくらしく、今では300匹もの捨て犬がいるそうです。自分が欲しくて飼ったペットを、平気で捨てていくなんて、ホント、ガッカリです。日本では、まだまだペットに関するマナーやケアがしっかりしていなくて、捨てられた犬の世話は、募金をつのって、犬小屋をつくったり里親を捜したり、いろんなボランティアで、まかなわれているようなんですね。

 それに他にも、ペットを飼っていた人が、ペットを亡くした喪失感によってかかる“ペットロス”という心の病があるんです。あまり知られていませんけど、日本でもペットロスにかかっている人は多いと聞きます。アメリカでは、そうした喪失感を癒すためのペットロス協会のようなものがあって、ペットに付随するさまざまな状況に対応する機関があるんですが、日本は、メンタルケアなんて、ほとんど整っていない。まだまだ、なんですね。

 今、ペットを飼いたい!(黒パグ) と思っていることもあって、そういう無惨な状況をみると悲しくなりますね。実は、親が非常に動物好きなんですよ、特に父親が。いろいろ飼っていましたけど、まず犬と猫は普通に飼うじゃないですか。その他に、ヤギとサルとイノシシ(!)を飼っていました。サルは、小さいポケットモンキー。実家は、群馬ですが、ちょっと広めの庭で、ごく自然に飼っていたんですよ。だから、他の家でも当たり前のように、いろんな動物を飼っている、と思いこんでいたんですね〜(笑) イノシシですか? ハイ、さすがに、なつかないですネ。父親が猟犬を育てていたんですが、その猟犬とイノシシを実際に闘わせるんですよ。調教みたいなものですね、そのために飼っていたんです。

 何度か、「サロンでペット飼いましょうヨ」と、提案したりしてみたんですけど…。たぶん、私、非常に人間クサいんですね。喋らないでいると、あんまり感情がないような無機質な存在に見えるらしく、「表情のないマネキン」とか言われますけど…。本当は、動物好きで、マナーとかもアレコレ気になってしまう、人間くさいヤツなんです(笑)。



はっきりとはわからないですが、美容の世界にはいるでしょうね。でも、きっと美容をしながらも、好きなことに向かって別のナニカをしているのかもしれないです。文章を書くことも好きだし、絵も大好き。興味あることは、たくさんあるので…。でも、それがナニカは、まだ秘密デス。

 

Toshie Nikaido's Works

『しんびよう』より
『しんびよう』より


『TOMOTOMO』より
『TOMOTOMO』より


『TOMOTOMO』より
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○二階堂 寿美 Toshimi Nikaido

1996年HEAVENSに入社。アシスタント時代から、HEAVENS代表の小松敦が手掛ける撮影のメイク、スタイリング(衣装)を担当し、1年半でスタイリストデビューをはたす。
HEAVENSプロモーションビジュアルの制作担当。N.Y ADC受賞。
現在は、サロンワークを中心にスタッフ教育、撮影、ヘアショーなどで活躍中。

HEAVENS HARAJYUKU
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-8-4 アイズビル2F
Tel.03-5469-8867


営業時間 平日11:00am〜21:00pm
     
日祭11:00am〜19:00pm
定休日  毎週火曜日 + 第三月曜日

http://www.heavens.co.jp/

 

 


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