2002/03/19


とかちニスト 後藤健市

北海道の十勝をベースに、さまざまな活動を展開中の後藤健市さんからの北の情報便。「こんなところで生きていて」「こんなことをやっていて」「そしてこんなことをやりたいんだけど」「みんなどうだい一緒にやらんかい?」という、アイデアいっぱいの後藤さんの日々のお話です。とかち日記を通して、十勝についてもよく知ってほしいな。

第1回:十勝の紹介

冷え込みが厳しい日の最低気温は氷点下20度を超える。もちろんこれは真冬の話。そして夏、暑い日の気温は35度を超える。1日の気温差が平均で10度以上あり、1年の気温差が約60度もある。この数値だけ見るとめちゃくちゃ厳しい環境のように感じられるだろうが、だからこそ楽しめる豊かな四季と自然がある。これが俺の暮らしている「十勝」。

ところで十勝って聞いたことありますかね。何年か前に「明治トカチッチ、スライスチーズ!」という所ジョージのCMが流れていたので名前ぐらいは知ってもらっているかな。

北海道はもともとアイヌの人たちが住んでいて、地名もアイヌ語に漢字を当てはめたものが多い。「トカチ」も十勝川河口付近のアイヌ語の地名で、昔は「トカプチ」と言っていたらしい。ではその意味は何か、これには諸説ある。乳房のような双丘(トカプ)の間から川が流れ出ているところ、または十勝川の河口が二筋に分かれ乳が出てくるところという説もあり、これ以外にもいつくかの説が語られている。いずれにしても乳のように豊かな土地が十勝ということだと私は勝手に解釈している。

ここ数年間、俺は年賀状に「21世紀は十勝が拓く」と書いてきた。周りからは「アホか!」と思われていたかもしれないが、本人はいたって本気。すでにその21世紀を迎え2年目に突入し、いよいよ俺たちの番だなと日々ワクワクしながら過ごしている。クラーク博士の「ボーイズ・ビー・アンビシャス」という言葉はとても有名だが、そのアンビシャスが俺の場合は「十勝から日本を変える」というものである。もっとも考えたり文句言うのは誰にでもできる。大切なのは行動すること。ちなみに、アンビシャスって「大志」って訳されているけど何だかきれいすぎる。個人的には「野心」と訳してもらった方がしっくりくるんだけど。ところで、みんなには「野心」はあるかな?

話は変わるが、今の時代をみんなはどう思っているのだろう。まさに「変革の時代」に突入したと俺は思っているが、どうなのか。変革の時代に必要なのは行動。まだ本格的な変革期に入っていなかった数年前までは評論家と呼ばれる人たちがもてはやされ、「朝まで生テレビ」に代表されるような番組が流行っていた。今も評論的番組はたくさんあり多くの人がそれらの番組を見ているが、本当に楽しんでいるのだろうか。仕方なく見ているのではないか。もう評論なんかしている場合でないはずだが、政治家も学者も我々もこぞって無責任な評論で自分自身をごまかし、目の前にある問題をただただ先送りしている気がする。

このままではやばい。本当にやばい。何がやばいって、俺たち自身がやばい。政治家や官僚が国会で嘘をついているのが判っているのに平気でいられる俺たちがやばい。「あんなこと言ってるけど、こいつはやっていることを私は知っている(見抜いている)」ということで満足してしまっている。問題は1つも解決していないのに自分がそのことを知ったことで満足し、意識はすでに次の新しいことや面白いことを知ることに向いている。「知る」「知っている」ということが何よりも優先し、自分に必要な情報が何であるのかを考えることなくただただ流れてくる情報を受け入れているのではないか。さまざまな点で飽和状態を迎えた地球は数年前に「量」から「質」の時代にシフトした。というか、せざるを得ない状況になった。情報も同じように「量」から「質」に変えていくべきではないか。自分に必要な情報は何か、それを考えることは簡単に言えば「自分は何をしたいのか」「自分は何が好きなのか」を考えることであり、ひいては「自分は何か」「どう生きるのか」を考えることにつながっていくはず。

いかだで川下りをする時にいかだや川を見ていると流れが見えない。遠くの山や空を見ても流れは見えない。河岸に目をやるとようやく流れが見えてくる。でもそれは見えているだけ。川の中に入り歩いてみたときに初めて流れを実感できる。情報の流れを感じるのも同じこと。いかだから降りて一度立ち止まってみてはどうだろう。岸に腰を下ろして川の流れを見つめてみてはどうだろう。そうしたら自分に何が必要なのかが見つかると俺は思う。

話は横道にどんどん逸れていくが、それはそれ。世の中なるようになる。

でも、第1回目ということなので、最後に無理やり話を十勝に戻そう。

十勝に和人が始めて訪れた時の記録が松浦武四郎の十勝日誌。今から150年近く前(1858)に書かれたものだが、そこには十勝川流域の地理や地元アイヌの人々の生活などが詳細に記されている。この十勝日誌はまさに松浦武四郎の行動の証。その行動力にあやかろうと考え、この十勝からのメッセージのタイトルを「とかち日記」にした。

とまあ、だらだらとした第1回目になってしまったが、毎回、自分勝手な思いやまちづくりのアイディアを含め、楽しい情報を発信していくので意見やら感想やらをどんどんください。とにかく、今後とも宜しくっス。 


とかちニスト 後藤健市

【PROFILE】
北海道の中でも北海道らしいと言われている「十勝」をベースに、
福祉・教育・ビジネス・まちづくりとさまざまな活動に取り組んでいる。
変革の時代はチャンスの時代。IT時代はチャンスの時代。
自らの地域を知ることから新たな地域づくりに取り組み、
さらに新たなビジネスを生み出していきたいと日夜奮闘中。
思いついたらすぐ行動。
下手な鉄砲を撃ちつづけているが玉はなかなかあたらない。
「かに」のレストランをスタートさせたり、
話題の「北の屋台」に出店したりと21世紀もエネルギー全開!
 福祉・教育分野では「ぴゅあマインドプログラム」
(心の気づきのプログラム)を開発し、
全国の企業や学校で展開中。
【URL
社会福祉法人 ほく・てん
http://www.abix.co.jp/tenji/main.html
【e-mail address】
kgoto@hokuten.com